電動工具の危険な使い方

車両の修理や整備を生業とする上で、それぞれの仕事に適した工具を持つことは楽しみの一つです。その楽しさは車両の修理整備を生業とする者ならではです。 しかし、もしも日常的に使っている工具があなたの健康を損ねているとしたらどうでしょう?ガレージや機械工場には作業者の健康を脅かす可能性が常に潜んでいます。

例えば鋭利で重い部品など、作業者の健康を脅かす危険はたくさんありますがあなたが使う工具はその中に入ってはいけません。しかし、一般的なガレージにある工具の多くは、作業者のことを考えた設計になっていません。コードが邪魔したり、つまずいたりすることがあると思います。

重くて扱いにくいハンドトルクレンチやインパクトレンチは手や指に大きなダメージを与えます。捻挫や歪み、過労は身体に深刻な事態を招くだけでなく、命にかかわることもあります。死亡事故にもつながりかねません。仕事上の労働関連筋骨格系障害として知られる衰弱性の慢性疾患を引き起こすこともあります。労働関連筋骨格系障害は主に手腕振動症候群として知られています。

その仕事は、あなたの人生に見合うものですか?

自動車整備士は複雑な機械に命を吹き込み、ドライバーや乗客の安全を確保する仕事です。しかし 米国労働統計局の報告書によると「整備士は一般的な労働者よりも仕事中に負傷したり死亡したりする可能性が高い。」との事です。このレポートでは冷ややかな統計が示されています。例えば2003年から2005年にかけてアメリカでは147人の整備士が仕事中に死亡していることをご存知ですか?

この死亡率は非軍事的な職業の合計よりも高いのです。2005年の整備士の月間休業日数(中央値)は5日でした。同報告書によるとこれは「全職種の中央値である7日よりも少ないのです。働き者であることはいいことだが仕事そのものがこんなに大変で、危険なものである必要はあるのでしょうか。

より良い職場のために、より良い道具をデザインする

労働関連筋骨格系障害の発生を防ぐ、あるいは最小限に抑えるには以下の方法があります。 最適なパフォーマンスだけでなく、使用する人の快適性も考慮して設計された工具を使用する人の快適さにも配慮して設計された工具を提供することで業関連筋骨格系障害を予防、あるいは最小限に抑えることができます。

人間工学的に設計された工具は作業者の疲労や怪我を軽減し、職場全体の効率を高めるのに役立ちます。米国疾病管理予防センターによると人間工学の第一の目標はストレスを減らし 筋肉の使い過ぎや悪い姿勢に起因する怪我や障害をなくす事です。

これは作業スペース、コントロール、ディスプレイ、ツール、照明、および機器を設計することによって達成されます。従業員の身体的能力や制限に合うように設計することです。自動車修理やメンテナンスの作業では普段使っている工具は仕事を上手に素早くこなせるように設計されている必要があります。重い電動工具を軽量化したり、複数の工具の機能をひとつにまとめたりすることでダウンタイムを回避できるようになります。

ツール選択に関するプロのヒント

ボルト締め工具を選ぶとき、あるいは一般的な工具を選ぶとき、大胆な宣伝文句に惑わされないでください。メーカーが 「人間工学に基づいた設計」という言葉を使っても、その工具の設計が本当に正しいとは限りません。必要な仕事に最適な道具を手に入れるためには自分の仕事と作業環境を徹底的に評価する必要があります。

 

ある人には良くてもあなたには合わないかもしれません。基本的なガイドラインに従う事が前提でより多くの情報を得た上で決断することができます。電動工具を選ぶ際には振動や接触ストレスに特に注意するよう推奨します。