
カウンターウェイトとは機械の前後または左右の重量バランスを保つために取り付けるおもりです。建設機械では油圧ショベルやクレーンなどの後部に搭載され、作業装置や吊り荷によって機体が前方へ傾いたり、転倒したりする危険を抑える役割があります。建設機械のカウンターウェイトは非常に重く、機体に大径ボルトで固定されていることがあります。
輸送や整備のために取り外す場合は大きな締め付けトルクに対応できる工具だけでなく、カウンターウェイトを確実に保持するためのクレーンや吊り具、安全な作業計画も必要です。この記事では建設機械のカウンターウェイトの役割や種類を説明したうえで、固定ボルトの取り外し・締め付け方法、トルク管理の重要性、作業に適した工具をわかりやすく解説します。
カウンターウェイトとは

カウンターウェイト(counterweight)とは反対方向に重量を加えることによって、機械に加わる力やモーメントとのつり合いを取るためのおもりです。「カウンタウェイト」「カウンターウエイト」「つり合いおもり」と表記されることもあります。建設機械では作業装置の反対側にカウンターウェイトを配置し、機体の重心が安全な範囲から外れにくくなるように設計されています。
単純に重量が大きければよいわけではなく、機体寸法、作業半径、アタッチメント、最大荷重などを考慮して重量と位置が決められています。物体を回転させようとする作用は一般に「重量×支点からの距離」で考えます。例えば油圧ショベルでは前方に伸びるブーム、アーム、バケット、掘削物による作用に対し、上部旋回体の後方にあるカウンターウェイトが反対向きに働きます。
建設機械でカウンターウェイトが果たす役割
建設機械のカウンターウェイトには主に次の役割があります。
機体の安定性を高める
油圧ショベルが前方で掘削物を持ち上げると機体を前方へ傾けようとする力が発生します。後方のカウンターウェイトがこの作用とつり合うことで機体の姿勢を安定させます。
転倒や後部浮き上がりの危険を抑える
クレーンや油圧ショベルでは荷重、作業半径、地盤状態、機体の向きなどによって安定性が変化します。カウンターウェイトは転倒防止に重要な部品ですが装着していればどのような荷重でも安全になるわけではありません。メーカーが定めた作業範囲、定格荷重、地盤条件を守る必要があります。
作業能力を確保する
適切なカウンターウェイトを装着することで設計された範囲内で掘削、吊り上げ、旋回などを安定して行いやすくなります。反対に指定と異なる重量や取り付け状態では本来の作業性能や安定性を確保できない可能性があります。
カウンターウェイトが使用される主な建設機械

| 建設機械 | カウンターウェイトの主な役割 |
|---|---|
| 油圧ショベル | ブーム、アーム、バケット、掘削物との重量バランスを取る |
| クローラークレーン | ブームや吊り荷による転倒モーメントに対抗する |
| ラフテレーンクレーン・オールテレーンクレーン | 吊り上げ作業時の機体安定性を確保する |
| ホイールローダー | 前方のバケットと積載物に対する後部のバランスを取る |
| 解体機 | 長いブームや大型アタッチメント装着時の安定性を高める |
カウンターウェイトの形状や取り付け方法は機種によって異なります。車体と一体に近い構造のもの、ボルトで固定するもの、複数のウェイトを積み重ねるもの、油圧機構などを利用して着脱しやすくしたものがあります。
建設機械用カウンターウェイトの種類

建設機械用カウンターウェイトは構造や着脱方法によって次のように分けられます。ただし、正式な名称や構造はメーカーによって異なります。
固定式カウンターウェイト
機体後部にボルトなどで固定する一般的な構造です。通常の作業中は取り外しませんが輸送や大規模整備の際に取り外すことがあります。
追加式カウンターウェイト
標準のカウンターウェイトに追加のおもりを装着する方式です。ロングブームや大型アタッチメントなど、メーカーが定めた仕様に合わせて使用されます。許可されていない重量や形状のウェイトを独自に追加してはいけません。
分割式・積層式カウンターウェイト
複数のウェイトを組み合わせて必要な重量を構成する方式です。大型のクレーンや解体機などで使用され、輸送可能な単位に分割できる利点があります。組み立てる順序や枚数を誤ると機体の安定性に影響するため、メーカー指定の構成を守ります。
着脱支援機構付きカウンターウェイト
油圧シリンダや支持装置などを利用し、外部の大型クレーンに頼らず着脱しやすくした構造もあります。操作方法と安全確認は機種ごとに異なるため、専用の手順に従います。
カウンターウェイトの材質と構造
建設機械用カウンターウェイトには、鋳鉄などを用いた鋳物タイプや、鋼板を箱形に溶接して内部に重量コンクリートなどを充填する製缶タイプがあります。限られたスペースで必要な重量を確保するとともに、機体後部の外装や保護部材としての形状も考慮して設計されます。
材質や内部構造は外観だけでは判断できません。吊り上げ、穴あけ、溶接、加熱などを行うと強度や重量バランスへ影響する可能性があるため、メーカーの承認なく改造しないことが重要です。
建設機械のカウンターウェイトはどれくらい重いのか
カウンターウェイトの重量は、建設機械の大きさや用途によって大きく異なります。小型機では数百kg程度の場合がありますが、大型の油圧ショベルやクレーンでは1個で数tに達することも珍しくありません。
例えば日立建機の大型解体機「ZX1100K-7」の公開仕様では、複数に分割されたカウンターウェイトのうち、1個の質量が6,960kgと記載されています。これは特定機種の例であり、実際の重量は必ず対象機種の仕様書やカウンターウェイト本体の表示で確認する必要があります。重量を推測して吊り上げることは危険です。クレーン、チェーンブロック、ワイヤロープ、シャックルなどは、カウンターウェイトの実重量、重心、吊り角度を考慮して選定します。
【日立建機日本】新型マルチブーム解体仕様機_ZX1100K-7_製品説明動画
カウンターウェイトを取り外すのはなぜか
大型建設機械では輸送のたびに分解・組み立てが必要になる場合があります。そのため、カウンターウェイトのボルト脱着時間は輸送準備や現場組み立ての工程にも影響します。日立建機のZX1100K-7では、従来機に対してカウンターウェイトの取り付けボルト本数を3分の2に減らし、着脱時間を短縮したことが公表されています。建設機械のカウンターウェイトは主に次のような場合に取り外します。
- トレーラー輸送時の車両総重量や軸重を抑えるため
- 輸送可能な寸法や重量に分解するため
- エンジンルームや旋回体後部を整備するため
- カウンターウェイトや機体フレームを修理・交換するため
- 使用するブームやアタッチメントに合わせて仕様を変更するため
- 大型建設機械を現場で分解・組み立てするため
油圧ショベル後方約8トンのカウンターウェイトの取り外し動画
カウンターウェイトのボルトの取外しの難易度
カウンターウェイトの固定ボルトが重要な理由
カウンターウェイトの固定ボルトは、重量物を機体の所定位置に保持する重要な締結部品です。走行、掘削、旋回などによる振動や繰り返し荷重を受けるため、指定された方法で締め付けなければなりません。
住友建機は過去に、特定の油圧ショベルでカウンターウェイト取付ボルトに緩みや折損が発生する可能性があるとして、目視点検と、異常がある場合の使用中止を案内しています。この事例からも、カウンターウェイトの固定ボルトが機械の安全に直接関係する部位であることがわかります。
締め付け不足による問題
締め付けが不足するとカウンターウェイトと機体の接触面にわずかな動きが生じる可能性があります。その状態で振動や繰り返し荷重を受けると、ボルトの緩み、接触面の摩耗、ボルト穴の損傷、ボルトの疲労破壊などにつながるおそれがあります。
締め付け過ぎによる問題
必要以上のトルクを加えると、ボルトが塑性変形したり、ねじ山や雌ねじを損傷したりする可能性があります。強く締めれば締めるほど安全になるわけではありません。
締め付けのばらつきによる問題
複数のボルトを不均一に締めると、特定のボルトや接触面に荷重が偏りやすくなります。指定された順序と段階を守り、各ボルトを適切な条件で締め付けることが重要です。
カウンターウェイトのボルトに使用する工具

カウンターウェイトの固定ボルトは大径で、高いトルクが必要になる場合があります。また、ボルトが機体下側の奥まった位置にあり、上向き姿勢で工具を保持しなければならない機種もあります。そのため、必要トルクだけでなく、作業スペース、工具重量、反力の取り方、電源の有無まで考慮して工具を選びます。
| 工具 | 特徴 | 適した作業 | 主な注意点 |
| 手動トルクレンチ | 構造が簡単で、設定トルクを確認しながら締められる | 比較的低いトルク、十分な作業空間がある場所 | 高トルクでは長いハンドルと大きな力が必要 |
| 倍力レンチ | 人力を増幅して大きなトルクを出せる | 電源を確保できない場所、作業本数が少ない場合 | 反力受けが必要で、作業速度は比較的遅い |
| インパクトレンチ | ボルトを素早く回せる | 仮締め、条件が許せば固着ボルトの緩め作業 | 打撃式では実際の締め付けトルクを正確に管理しにくい |
| コードレス電動トルクレンチ | 電源コードや油圧ポンプが不要で持ち運びやすい | 屋外作業、輸送先での分解・組み立て | バッテリー残量、工具の反力、出力範囲を確認する |
| エアートルクレンチ | 連続作業に対応しやすい | 圧縮空気を確保できる整備工場など | エア圧と流量、ホースの取り回しを確認する |
| 油圧トルクレンチ | 小型の本体で非常に大きなトルクを発生できる | 大径ボルト、高トルク、固く締まったボルト | 油圧ポンプ・ホース・反力受けの設置が必要 |
カウンターウェイトには油圧トルクレンチが適しているのか
大型建設機械のカウンターウェイトでは高い締め付けトルクが求められることがあります。このような作業では油圧トルクレンチが有力な選択肢です。油圧トルクレンチは油圧ポンプで発生させた圧力を利用してボルトを回します。手動工具より小さな本体で大きなトルクを出しやすく、圧力とトルクの対応表に基づいて出力を設定できます。締め付けだけでなく、大きな力が必要な緩め作業にも使用できます。
一方で、工具本体が入る空間と、反力受けを安定して当てられる場所が必要です。反力受けが斜めに当たる、弱い部分に当たる、作動中にずれるといった状態は危険です。作業前に実機のボルト位置、周辺形状、ソケット寸法、反力位置を確認し、必要に応じて専用の反力受けを検討します。
HYTORCのソケット交換型油圧トルクレンチ「AVANTIシリーズ」は安全にカウンターウェイトのボルトナットの取外しができる選択肢です。これは当社独自の駆動軸状にスプライン配置されているため実現可能です。ただし、実際の選定では最大トルクだけでなく、対象ボルトの指定トルク、緩めに必要な力、本体寸法、差込角、反力位置を確認する必要があります。

コードレス電動トルクレンチが適している場合
屋外や輸送先など、油圧ポンプや電源を用意しにくい場所では、コードレス電動トルクレンチが適しています。バッテリーを装着すれば作業を始められ、工具やホース類を運ぶ負担を抑えやすい点がメリットです。
ただし、必要トルクが工具の能力範囲に入っていることが前提です。カウンターウェイトのボルトが工具の最大出力に近い場合や、固着によって緩めトルクが大きくなる場合は、より高出力な油圧トルクレンチを検討します。
インパクトレンチだけで本締めしてよいのか
一般的な打撃式インパクトレンチは、ボルトを素早く回す作業には便利ですが、実際にボルトへ加わった締め付けトルクを正確に把握しにくい工具です。カウンターウェイトの固定ボルトを指定トルクで管理する必要がある場合、インパクトレンチだけで本締めを完了させるのは適切とはいえません。
インパクトレンチを仮締めに使用し、最後は校正されたトルクレンチ、電動トルクレンチ、エアートルクレンチまたは油圧トルクレンチで指定値まで締める方法が考えられます。具体的な工具と手順は、必ず建設機械メーカーの整備要領に従ってください。
カウンターウェイト用工具の選び方
1.指定締め付けトルク
最初に、対象機種の取扱説明書や整備要領書で指定トルクを確認します。同じボルト径でも、強度区分、ねじピッチ、表面処理、潤滑状態、締結構造によって適切なトルクは変わります。一般的なボルト締め付け表だけを根拠に決めないでください。
2.ボルト頭部の対辺寸法と工具の差込角
ボルト頭部に合うソケットと、トルクに対応した差込角を選びます。大径ボルトには、動力工具用に設計された高強度ソケットを使用します。摩耗、亀裂、変形があるソケットは使用しないでください。
3.工具を設置できるスペース
ボルトの周囲に工具本体、ソケット、反力受けを設置できるか確認します。図面上では入るように見えても、配管、カバー、フレームなどが干渉することがあります。
4.安全な反力位置
動力式トルクレンチがボルトを回すと、工具本体には反対方向の力が発生します。この力を受け止める場所が反力位置です。十分な強度がある平らな部分に反力受けを安定して当て、作動中は手や指を近づけないようにします。
5.工具の保持方法
カウンターウェイト下側のボルトでは、工具を上向きに装着する場合があります。ソケットの保持機構、補助ハンドル、落下防止措置などを確認し、工具が外れた場合でも作業者へ落下しない方法を検討します。磁石付きソケットは装着作業を補助できますが、磁力だけを工具の落下防止対策にしてはいけません。
6.校正と点検の状態
トルク管理に使用する工具は、定期的に校正・点検されたものを使用します。油圧トルクレンチでは、本体だけでなく油圧ポンプ、ホース、カプラー、圧力計、ソケットも点検します。
カウンターウェイトの取り外し方法
カウンターウェイトの取り外し方法は機種ごとに異なります。以下は一般的な流れであり、実作業では対象機種の整備要領書、作業責任者の指示、関係法令に従ってください。
1.機種とカウンターウェイトの重量を確認する
型式、製造番号、カウンターウェイトの仕様、重量、重心、指定吊り位置、固定ボルトの本数と位置を確認します。追加ウェイトが装着されている場合は、その構成も確認します。
2.作業計画と立入禁止範囲を設定する
水平で十分な強度のある場所に建設機械を停止し、作業装置を安全な位置まで下げます。エンジン停止、キー管理、エネルギー遮断など、意図しない始動や旋回を防ぐ措置を行います。吊り荷の下やカウンターウェイトと機体の間には人が入らないよう、立入禁止範囲を設定します。
3.吊り具と支持方法を準備する
メーカー指定の吊り点を使用し、重量と吊り角度に対応したクレーン、ワイヤロープ、チェーン、シャックルなどを準備します。吊り点の損傷や変形、吊り具の使用荷重も確認します。
4.カウンターウェイトを確実に保持する
固定ボルトを完全に抜く前に、カウンターウェイトを指定された吊り方または支持装置で保持します。吊り具を掛けただけで直ちにボルトを外すのではなく、カウンターウェイトの荷重が安定して支持され、予期せず傾いたり落下したりしない状態を確認します。
5.固定ボルトを段階的に緩める
適合するソケットと工具を使用し、メーカー指定の順序でボルトを緩めます。ボルトに偏った荷重が残っていると急に動く可能性があるため、カウンターウェイトの状態を確認しながら段階的に作業します。
6.ボルトを取り外してカウンターウェイトを移動する
すべての固定部品が外れていることを確認した後、周囲との干渉を避けながらゆっくり移動します。取り外したカウンターウェイトは、転倒や沈み込みが起きない平坦で強固な場所に、指定された姿勢で置きます。
カウンターウェイトのボルト締め付け方法
1.ボルトとねじ穴を点検する
ボルトの伸び、曲がり、亀裂、腐食、ねじ山のつぶれ、座面の傷などを確認します。再使用の可否は外観だけで判断せず、メーカーの交換基準に従います。ねじ穴や接触面の異物、さび、塗料の盛り上がりなども確認します。
2.潤滑条件を確認する
ボルトを乾燥状態で締めるのか、指定潤滑剤を使用するのかによって、同じトルクでも発生する軸力が変わります。自己判断でグリースや焼付き防止剤を塗布すると、過大な軸力が発生する可能性があります。整備要領書に記載された条件を守ります。
3.カウンターウェイトの位置を合わせる
クレーンなどでカウンターウェイトを保持し、機体側の取り付け面とボルト穴を正確に合わせます。ボルトを利用して無理に位置を引き寄せるのではなく、吊り位置を調整して自然に着座させます。
4.すべてのボルトを仮締めする
ねじ山を傷めないよう、最初は手でねじ込み、すべてのボルトが正しく入ることを確認します。その後、指定された順序で均等に仮締めします。
5.指定順序で段階的に本締めする
複数本のボルトを一度に最終トルクまで締めるのではなく、メーカー指定の順序と段階に従って均等に締めます。最終締めには、校正されたトルク管理工具を使用します。トルク法以外の締め付け方法が指定されている場合は、その手順を優先します。
6.締結結果を確認・記録する
ボルトの着座、締め忘れ、工具の設定値、作業者、作業日時などを確認します。必要に応じてマーキングし、締結記録を残します。装着後の点検時期や増し締めの要否も、メーカーの指示を確認してください。
カウンターウェイトのボルトが緩まない場合
長期間屋外で使用された建設機械ではさび、異物、塗膜、ねじ山の損傷、かじりなどによって固定ボルトが緩みにくくなることがあります。また、カウンターウェイトの荷重がボルトに残っているとボルトが回りにくい場合があります。ボルトが緩まない場合は、次の点を確認します。
- 工具の回転方向が正しいか
- ソケットがボルト頭部の奥まで入っているか
- 工具の出力が不足していないか
- カウンターウェイトが適切に保持されているか
- ボルトやねじ穴に腐食、変形、かじりがないか
- 反力受けが安定しているか
- メーカー指定の緩め方や補修手順がないか
工具にパイプを継ぎ足す、能力を超える圧力を加える、ハンマーで工具をたたく、自己判断でボルトを強く加熱するといった方法は、工具やボルトの破損、落下、火災につながる危険があります。通常の方法で緩まない場合は、建設機械メーカーまたはボルト締結の専門業者へ相談してください。
カウンターウェイト取付ボルトの点検ポイント
カウンターウェイトを安全に使用するため、日常点検や定期点検では次のような異常がないか確認します。異常が見つかった場合、単純に増し締めして使用を続けるのではなく、原因を確認する必要があります。ボルトの折損や取り付け部の損傷が疑われる場合は機械の使用を中止し、メーカーや指定サービス工場へ連絡してください。
- ボルトの緩み、脱落、折損
- ボルト頭部や座面周辺のすき間
- 締結部から発生したさび粉や金属粉
- カウンターウェイトと機体のずれ
- 接触面周辺の異常な塗装割れ
- ボルト穴や取り付け部の変形、亀裂
- 走行・旋回時の異音や異常な振動
カウンターウェイトに関するよくある質問
カウンターウェイトは何のために付いていますか?
ブーム、アーム、バケット、アタッチメント、吊り荷などによって生じる作用と反対側のバランスを取り、建設機械の安定性を確保するために付いています。ただし、カウンターウェイトがあっても、定格荷重や作業半径を超えた作業はできません。
カウンターウェイトは自分で取り外せますか?
カウンターウェイトは数百kgから数t以上になる重量物です。機種ごとの構造を理解せずに固定ボルトを外すと、落下や挟まれ、機体のバランス喪失につながります。必要な資格、設備、作業計画を備えた整備担当者や専門業者が、メーカーの整備要領に従って作業してください。
カウンターウェイトのボルトの締め付けトルクはどれくらいですか?
締め付けトルクは機種、ボルト径、強度区分、ねじピッチ、潤滑条件などによって異なります。カウンターウェイト用として共通のトルク値はありません。対象機種の取扱説明書または整備要領書で確認し、不明な場合はメーカーへ問い合わせてください。
カウンターウェイトのボルトは再使用できますか?
再使用できるかどうかは、ボルトの種類とメーカーの指定によって異なります。外観に問題がなくても、塑性域締め付けが行われたボルトや交換が指定されたボルトは再使用できません。再使用が認められている場合も、ねじ山、軸部、頭部、座面を点検します。
固定ボルトの締め付けにはどの工具が適していますか?
必要トルクが比較的低ければ手動トルクレンチ、高トルクで機動性を重視するならコードレス電動トルクレンチ、非常に大きなトルクが必要なら油圧トルクレンチが候補になります。最適な工具は、指定トルク、ボルト位置、作業空間、反力位置、電源条件によって決まります。
ボルトを取り外すときもトルクレンチを使えますか?
緩め方向に対応した動力式トルクレンチは、ボルトの取り外しにも使用できます。ただし、固着したボルトを緩める力は、取り付け時の締め付けトルクと同じとは限りません。工具の緩め能力を確認し、能力を超える使い方は避けてください。
まとめ
カウンターウェイトは油圧ショベルやクレーンなどの建設機械で作業装置や荷重とのバランスを取り、機体の安定性を支える重要な部品です。輸送や整備の際には取り外すことがありますが非常に重いため、固定ボルトを緩める前に指定された方法で確実に保持しなければなりません。
また、カウンターウェイトの固定ボルトは締め付け不足でも締め付け過ぎでも問題が生じる可能性があります。機種ごとの指定トルク、締め付け順序、潤滑条件を確認し、校正されたトルク管理工具を使用することが重要です。
高トルクが必要なカウンターウェイトのボルト脱着にはコードレス電動トルクレンチや油圧トルクレンチが有効です。ただし、工具は出力だけでなく、本体寸法、ソケット、反力位置、保持方法まで含めて選定する必要があります。現場に適した工具がわからない場合は対象機種、指定トルク、ボルトサイズ、作業箇所の写真などを用意し、油圧トルクレンチメーカーへ相談すると選定がスムーズです。
