LSTの基本的な操作方法

LSTの各種コントロールスイッチについて

方向スイッチは四角駆動軸の回転方向を締め方向か緩め方向かを設定する事が可能です。スピードスイッチは高速回転モードかトルク締めモードかを選択する事ができます。スイッチを下に向けると高速回転モードになります。ランダウン(高速回転モード)はトルク管理ができません。多くのお客様はナットが座面に着座されるまでご利用されます。

具体的なランダウンのRPMはLST700が61、LST1200が40、LST2000が17、LST3000が11、LST5000が7となります。トルク締めモードの場合のRPMはLST700が5.9、LST1200が3.9、LST2000が1.7、LST3000が1、LST5000が0.7となります。また、工具のディスプレイの直下にある3つの赤いボタンのいずれかを押す事でリチウムガンⅡの電源が入ります。電源を切る際は3つある赤いボタンのうち中央のボタンを長押しする事で電源を落とす事が可能です。また、トリガーを引き続けている間は四角駆動軸が回転します。

オートシャットダウンについて

リチウムガンⅡは設定をする事で5分間トリガーの作動していない状態が続くと自動的に電源がオフになり、バッテリーの充電を節約します。この機能は設定メニューで有効または無効にできます。

締め付けトルク値の調整について

締付トルクの値は角度値、リリース値、ファスナータイプ、アクセスレベルとともにLSTの画面上に表示されます。ホーム画面から調整できるのはトルク値のみです。

トルク値の調整について

トルク値を上げる場合はホーム画面が表示されている状態でディスプレイ直下にある赤い3つのボタンのうち左のボタンを押して、トルクを上げます。ツールの最大校正能力値に達するまで、トルク値は1 Nmずつ増加します。ボタンを押し続けると増加スピードは加速します。

トルク値を下げる場合はホーム画面が表示されている状態でディスプレイ直下にある赤い3つのボタンのうち右のボタンを押す事でトルクを下げる事ができます。ツールの最低値に達するまでトルク値は1Nmずつ増加します。LST2000で設定可能トルク値は2,712Nm~441Nmです。SNUGは440Nm~136Nmまで設定できます。LST5000の設定可能トルク値は1,085Nm~6,779Nmです。SNUGは1,084Nm~271Nmまで設定できます。

最小校正値以下ではツールは着座機能(SNUG)に設定され、必要に応じてより低い値で締め付けることができます。

四角駆動軸の回転方向について

リチウムガンⅡは四角駆動軸の回転方向を左右どちらにも設定する事ができます。右回転方向と左回転方向それぞれでトルク締めを設定する事も可能です。

ボルトを緩めたい場合

四角駆動軸の回転方向を変更すると、ツールが緩みモードに設定され、トルク値はツールの最大能力に設定されて、ナットがすばやく緩められます。ディスプレイ直下にある3つある赤いボタンのうち右ボタンを押すと、緩める値を最大トルク値から減らすことができます。 緩める値は、左ボタンと右ボタンを使用して設定値を調整できます。

ランダウンモードについて

リチウムガンⅡには速度切替が搭載されています。 トルク締めモードとランダウンモードです。 ランダウンはツールの最大出力まで四角駆動軸の回転速度を上げ、ナットを素早く着座させることで、次のトルク締めの準備に入ります。スピードスイッチをツールの後方へ押すと、ランダウンに切り替わります。 この速度ではツールはその最小能力またはツールの最大能力の約5%でトルクをかけます。

トルク締めモード

ランダウンモード

スピードスイッチのランダウンにし、Loosenを選択してナットを取り外します。

ソケットと反力受けでボルト締結を行う

締め付け作業の前に反力受けが工具にしっかりと固定されている事を確認してください。締め付け作業を開始すると反力を取りに行くわけですが反力を受ける側にしっかりと反力受けが固定されている事を確認して下さい。これを怠ると重傷を負う可能性があります。 怪我を防ぐためにナットを締める箇所周辺に身体(特に手や指)を近づけないでください。

反力受けの装着

• ネジをスプラインの平らな部分に合わせながら、反力受けを四角駆動軸上でスライドさせます
• 位置決めのネジを締めて、反力受けをしっかりと取り付けます
• 反力受けがしっかりと装着されていることを確認します
• 反力受けを改造しないでください。けがや故障の原因となります

ソケットの装着

• Oリングがソケットに取り付けられている事を確認した後にピンを途中までソケットに挿入します
• ソケットのピン穴を四角駆動軸の穴に合わせながら、ドライブのソケットをスライドさせます
• ピンをソケットと四角駆動軸に押し込み、ピンをソケットにぴったりとはめ込みます
• Oリングをスライドさせて、ピンを所定の位置に留めておきます

反力受けを用いたトルクの設定• スイッチを入れます

• ファスナータイプを選択します。反力受けを使用する場合はRIGHT HANDまたはLEFT HANDになります
• 必要に応じて、スピードスイッチをRUNDOWNに設定します
• ソケットをナットの上に置き、トリガーを引いて素早くナットを着座させます
• すべてのナットがフランジに固定されたら、スピードスイッチをトルクモードへ戻します
• トルク締めをする前にバックアップレンチを配置し、締め付け中に背面のナットが回らないようにします
• ソケットをナットの上に置き、ナットと完全にかみ合わせます
• トルク締めを行う前に、反力受けが固定されている物体にしっかりと反力が取れていることを確認してください

反力受けを用いたボルト締結の一連の流れ